【雑記】見上げれば、春。〜30代独身男子のリアル〜【日記】




早いもので、三月ももう下旬を迎える。

日々の忙しさに振り回され、春が訪れるという実感はまだない。

カレンダーは毎日見ているはずなのに、見るのは仕事の納期の確認のためで、新しい季節の到来に気がつくことはない。

確認しているのは、ただの数字だ。

 

いつもと同じ時間に、いつもと同じ道を、いつもと同じように歩いていて、ふと気づく。

「あれ、なんか今日あったかい」

「・・・そうか、もう春なんだ」

 

春は出会いと別れの季節、なんていう表現はよく聞くけど、

実際のところ卒業と入学シーズンである春は、何となくワクワクして希望みたいなものを感じる季節で、

昔から僕は春が大好きだった。

 

 

深呼吸すると、爽やかでほのかに温かみを帯びた春の匂いを感じる。

空気の匂いは変わらないのに、今と昔で決定的に違うことがある。

昔感じた春のワクワク感みたいなものがないのだ。

 

学生の頃と違い、社会人となった今は、異動でもない限り環境が大きく変わることは少ない。

どちらかというと、僕たちの年代では結婚したり、子供が生まれたり、

そういうことで周りの状況が変わることもあるが、独身の僕にはそれもない。

 

一体、いつからこうなったのか。

いや、子供の頃からこうなることはある程度予測できていたはずだ。

学校でいい成績を取り、いい学校に入り、いい会社に就職する。

もちろん全ての人間がそういう人生を求めていたわけではないが、そのルートを歩むことができればそれなりの人生を送ることができるというのはある程度共通認識だった。

そして振り返ると、僕はなんだかんだ文句を言ったり道を外れたりをしながら、目指していた道を歩いている。

それなりの結果を得て、世間的にはそこそこ上位の給料と社会的立場を得ることができている。

 

だけど僕は今、幸せではない。もちろん不幸せとも思っていない。

おそらく僕は、今後もこの生活を続ければ定年まで普通に生きていくことができるだろう。

この先結婚するかどうかはわからないが、それでも定年まで勤め上げればある程度の貯蓄もできて、老後も年金と貯金でなんとか生活することができると思う。

 

でも、それでいいのか?

それは老後の貯金のために人生を捧げていることにならないだろうか?

今、ワクワクしていなくて、生活のためだけに仕事をすることに30年も時間を使ってしまって後悔しないだろうか?

 

そんな風に思っている。

 

 

仕事が終わり、定時で会社を出る。

これから明日の出勤時間までは、何をしても僕の自由のはずである。

一杯飲んで帰っても、これからカラオケに行っても、映画を見ても僕の自由だ。

でも僕はまっすぐ家に帰る。やりたいことがないのだ。

正確には、明日の朝にはまた仕事のために出勤しないといけないと思うと、体力を使うようなことはしたくないのだ。

なので結局、家で食事をとりネットをしたり、動画を見たりすることで体力を温存しながら、娯楽を楽しむという選択を取ることになる。

 

 

帰り道、コンビニに立ち寄る。

コンビニには安くてそれなりに美味しい食品が揃っている。

生きていくだけであれば、1個100円のおにぎりや菓子パンで十分腹は満たされる。

死なない程度の生活であれば、一日三食コンビニのおにぎり、飲み物は水道水でも死ぬことはない。

それであれば食費は月に一万円程度で十分である。

 

それを考えれば、好きなものを自由に買えるだけのお金があることは幸せである。

食事だけでなく、家具もゲームも漫画も、今の僕はある程度自由に買うことができる。

だけど僕にとっての幸せは、そういうことじゃないんだ。

 

泥だらけになって遊んで毎日怒られてばっかりだった小学生時代。

数年先の未来も見えなかったけど、がむしゃらに努力した中学生時代。

行動範囲が広がって、少し大人になった気がした高校生時代。

お金はなかったけど節約しながら楽しんだ大学生時代。

 

いつも未来に不安はあったけど、どの時代も楽しくて仕方がなかった。

大人になれば、社会に出れば、何かが変わるって思っていた。

でも結局、僕の根幹は子供の頃から何も変わっていないし、今でも迷ってばかりである。

それなりの地位を手に入れても、大好きだったはずの季節がきたことにも気がつかない人生。

 

今のこの気持ちは、きっと今この瞬間しか感じることができない。

思い出そうとしても風化して、全く同じ感情と言葉を絞り出すことはもうできない。

だから、今の気持ち、思うことをここに残しておきたいと思う。

五年後、または十年後、僕がどういう人生を送っているかはわからないけど、少なくとも今この瞬間、どう思っていてどういう生き方をしたいと思っているのか、それを残しておきたいと思う。

 

今後、いまの会社でずっと働き続けているかもしれないし、結婚してるかもしれない。

かと思えば、仕事も辞めていて独身のままで、全く別の仕事をしていたり、世界を放浪していたりするかもしれない。

人生に不安はつきものだ。きっと、どんな人生を歩んでいても不安は尽きない。

どうせ飢え死にすることなんてそうないんだから、自分が楽しいと思えること、ワクワクすることに向き合える人生を歩みたいと思っている。

 

 

家に帰り、シャワーを浴びる。

ここまではもはや毎日のルーティン・ワークだ。

何かを変えなくては、と思い、やることもないのに上着を羽織り、外に出た。

 

この時期の夜は昼間と違って少し肌寒いが、空気にはどこか柔らかさを感じる。

僕はこの空気が好きだ。

 

川沿いの公園は少し風が強く、波の返す水音が耳に気持ちいい。

波の音を聞きながら、幻想的に周りを照らすオレンジ色の街灯を見上げる。

早咲きの桜の花びらが、ふわっと舞い上がるのが見えて僕はなんだか嬉しくなった。

 

大好きな春が、すぐそこに来ているのを感じた。

 

↓    数時間後の現実。

 

 





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